Theoria -テオリア-
川田英二 / Eiji Kawada
- 会期
- 2018/01/06(土)〜 2018/01/20(土)
- 開廊時間
- 13:00〜19:00
- 休廊日
- 木曜休廊
【Artist Statement】
「雨の日に思う」
雷に怯え、泣きながらおへそを隠していた娘もいつの間にか高校生になってしまった。雷は今でも怖いと思っているのであろうが、まさか空の上で鬼が太鼓を叩いているとは信じていないだろう。
私も雷は怖い。しかし雨の日は嫌いではない。夏の日の夕立、乾いた土の上に雨が落ち、土の匂いや草の香りを感じることも、夜、部屋の電気を消し、シトシトと降る雨音を聞きながら窓の外の真っ暗な闇を眺めることも好きだった。
近年はアトリエ事情と制作の都合上、制版など屋外での作業が欠かせないことがある。そして寒い冬よりも暑い夏の方が制作には適している。しかし、ここ数年の夏の天気は、以前と比べても安定していない。温暖化の影響、局地的な大雨、ゲリラ豪雨、8月に丸1日晴天という日が2日もなかった年などは、さすがに季節労働アーティストとしては、自分の雨男ぶりを呪いたいと思った。朝は快晴でも午後から雲行きが怪しくなり、夕方には雷と供に土砂降りの雨。常に空模様を伺いながらの制作が続く。
自然には敵わない。ふと、2匹の鬼の裏面にある酒井抱一の「夏秋草図屏風」を思い出しては次の季節を思い、制作のことを考える。
川田英二 | Eiji Kawada
画像キャプション
Theoria 017-01 | ステンシルアクアチント、コラグラフ | 65×90cm (部分)