桜 / 石崎誠和 / Tomokazu Ishizaki
- 製作年
- 2024 - 2025年
- 素材・技法
- 雲肌麻紙、墨、岩絵具、雲母、銀箔
- サイズ
- 186×615.5cm
桜
桜は、ある時には硬い蕾が膨らみ赤くなり、ある時には蕾が綻び花が咲き、ある時は葉が茂り風に揺れている。
桜を見て写生する時間は、1日中の時もあれば1時間の時もある。雨の日もあれば曇りの日もあり、3月の寒い日も9月の暑い日もあった。
いろいろな時間に見た桜が自分の中で積み重なり、混ざっていく。
画面を前にして最初は写生を見ながら少しづつ画面に直接墨で描いていく。
2階の屋根から見え始める幹から大きな枝が伸びて、小さな枝も伸びていく。
枝先には蕾があり、やがて綻び花が咲き始める。花が終わると葉が生えてくる。
そして葉は風に揺れ始める、桜は色々な時間を内包しながら画面に現れ、やがて自律し始める。
このように現れた桜からはどのような時間が感じられるのだろうか。
このような桜と時間の現れ方が面白いと思う。