柄澤健介 / Kensuke Karasawa

木を彫り進め、掘った穴をパラフィンワックスで満たす。半透明で柔らかな素材が、作家の彫り取った木の失われた形を可視化する。


分水嶺
木、蝋、H125 × W29 × D29 cm、2020年

【Artist Statement】

私がこれまで見てきた空間や触れてきた時間。いくつもの体験が積み重なり、感覚の中にだけ展開されたスケールを一つの彫刻として形にしています。主に木を素材としていますが、表面を削るだけでなく内側へ穴を穿つように彫り出し、彫ることで生まれた空間にワックスを満たします。表面があり内部があるという関係を解体し、新たな彫刻の在り方を探っています。