柄澤健介 / Kensuke Karasawa

見るともなく見ている風景に潜在するスケールを、彫刻という物質に還元し、再構築したいと思っている。見えているものを表面とするならば、それを支える構造や骨格。表面を舐めるように行き交う水平方向への視野に加え、垂直に透過し表面を立ち上げる深さのある視点。新たなスケールを備えた彫刻の可能性を探っていく。

I aim to take the inherent sense of scale that we see but do not notice in the surrounding scenery, reduce it to sculptural material, and reconstruct it. If what we see is the surface, what I am exploring is the structure and skeleton that underlies it. To a field of vision that encompasses horizontal lines skating and intersecting over the surface, l introduce a deeper perspective that slices through vertically and raises the surface. I am exploring the possibilities of sculpture with a new sense of scale.


分水嶺
木、蝋、H125 × W29 × D29 cm、2020年

【Artist Statement】

私がこれまで見てきた空間や触れてきた時間。いくつもの体験が積み重なり、感覚の中にだけ展開されたスケールを一つの彫刻として形にしています。主に木を素材としていますが、表面を削るだけでなく内側へ穴を穿つように彫り出し、彫ることで生まれた空間にワックスを満たします。表面があり内部があるという関係を解体し、新たな彫刻の在り方を探っています。