出口俊一 / Shunichi Ideguchi

木曽ヒノキを素材に、仏像などと同じ寄せ木造りで造形し、カシュー漆で仕上げる。工芸と彫刻の両方の雰囲気をそなえながらも、3Dプリンターで作られたパーツを組み合わせ、抽象的、造形的な形の美しさを求め続けている。


ネイキッド
木曾檜、カシュー漆 | h50×w35×d9cm | 2021年

【Artist Statement】

最近、色んなものごとが加速していると感じている。

移り変わりが目まぐるしい中で、なぜか子どもの頃のことを少し思い出した。未知への好奇心だったが故に、知らない誰かに届くボトルメールを出したことがある。 長い間かけて届くものもいれば、 あっという間に届くものもいる、届かなかったものも。

あの時の高鳴りは今でも微かに憶えている。
きっと大古の人が夜空を見上げ、宇宙という存在を見つけた時も同じような気持ちだったのだろう。

そんな見えざるものを形のある彫刻として作り、見えないこの先をみつめている。